講演「能楽の世界」に行ってきました

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こんにちは、鶴女です。

現在メディアスクーリングで「日本芸能史」を履修しています。「能楽」の歴史が主になります。古典芸能は大好きですが、能はいささか敷居が高く、おまけに眠くなりそうなので、今まで数えるほどしか観に行ったことがありません。

でも芸能史を学習しているのだから生舞台を鑑賞したいなと思っていたところ、この講演会を知りました。「宝生流能楽師による『能楽の歴史と鑑賞法』」という副題がついています。なんてタイムリーな企画でしょう!早速申し込んで行ってきました。

能楽の世界

講師は宝生流能楽師で重要無形文化財総合指定保持者の東川光夫氏。能の自虐ネタっぽい冗談をはさみながら、能の歴史を少しと、能の舞台映像を交えながらの解説や、能面を実際に見せて下さったり、最期は謡「高砂」の歌唱指導まで、充実した内容の1時間半でした。

能についてのあれこれ

能を観に行くと、開園間近になると囃子方の演奏が聞こえてきます。これを「お調べ」というそうです。それぞれの楽器の音色を調整したりするんですね。鏡の間というところで行われるそうです。能以外では楽屋で行われるようですね。

能舞台での歩き方を「運び(ハコビ)」というそうです。能の基本です。頭を動かさないように、足裏を付けたまま滑るように床を移動します。その時、つま先がちょっと上がるんです。日舞などではつま先を上げないで摺り足をしているので、つま先を上げるのは能独特なのでしょうか。

能舞台の左手奥に、紋付袴で座っている人を後見といいます。道具類を出したり、役者の装束を直したりしているので、てっきり歌舞伎でいう黒子のような存在かと思っていたら、実はシテやワキが倒れたりした時には代役を務めるという重要な役割があるのだそうです。
能は中断してはいけないため、なんらかのアクシデントでシテやワキがそれ以上続けれらなくなったら後見がその恰好のまま、続きを演じるのだそうです。そのため、後見はその演目を熟知している人でなくてはいけません。

講座とは関係ありませんが、メディアスク「日本芸能史」で本来の薪能は奈良の興福寺で行われるものだけを指すのだと説明がありました。能舞台の周りをかがり火で照らしながらの能鑑賞は幻想さもあいまって人気ですが、そのルーツも知っておくと興味も深くなります。

能面について

「翁」の白色尉(はくしきじょう)という面と、女性の面3つ(小面・増・曲見(しゃくみ))を実際に見せてくださいました。

「翁」は古くから演じられているちょっと特別な能で、お正月や祝い事などの時に演じられます。翁面は切り顎という下顎部分が離れている形をしていて、上の部分とは紐でつながっています。この面をつけて話すと下顎が動いてカタカタを音を立てるので、この面をつけることにより観客には、まるで翁(=神)が乗り移っているような錯覚を覚えるのかもしれません。

受講者の中から2人の女性が女面をつけて、どれだけ視界狭いかを体験するというのもありました。それを見て思ったのですが、女性が女面をつけるとなんともゾクッとしますね。本音をすべて面の下に隠して、能面という建前だけが全面に出てきているような感じがします。男性である能楽師が能面をつければ、そこにいるのは本音も建て前もなく、ただ女性(能面の種類によって年齢も様々ですが)というだけなのに。なんとも不思議です。

その他、能面は基本的に受け口で作られていて、それは演者の汗や唾液が面の表側に響かないようにというものだそうです。なので、演者が面を外した後は、必ず面の裏を下にして持つそうです。博物館などに展示されているような古い面の口の周りによだれのような跡がある場合は、誰かが面の裏を下にして持たなかったために表側に汗や唾液が流れ出てしまったのだとか。博物館で古い能面を見たら、ついついそんなところを注目してしまいそうです。

高砂や~

お祝いの席で謡われる謡だと思っていましたが、先生は結婚式では別の謡にするそうです。まあ、確かに歌詞をよく見るとお祝い事を謡っているものではないですよね。なぜ結婚式の定番みたいになっているのかは不思議です。(ネットで調べてみると諸説あるようですが)

由来はともかく、知っている人が多い謡でもあります。
謡本はこんな風に書かれていますが、う~ん読めません。

読めないと謡えないので、先生が書き換えて下さいました。なんでも東京外語大の留学生に教えるために書いたものだとか。日本人の私たちにも分かりやすいです。

日本語の場合、言葉をのばすと必ず母音になります。その母音部分を「産み字」というそうです。小さい文字で書いてあるのが産み字になります。これを見ながら、先生の謡に合わせて全員で合唱です。よく能は眠くなるといいますが、七五調は聞いていると眠くなるんですよね。でも声に出すといい感じで抑揚がついて気持ちいいです。こういうところは日本人のDNAゆえでしょうか。

能鑑賞について

せっかく能の鑑賞についても学んだので、本舞台を見に行きたくなりました。
ちょうど、6月17日に水道橋の宝生能楽堂で行われる能公演の中の「藤戸」に、東川先生もシテで出演されるそうです。観に行きたいなあ。

宝生流の公演情報はこちらから。
宝生流・全国地域別公演情報のご案内

今回の能楽講座は今年で四回目なのだそうです。たぶん、来年もまたちょっと違う趣向で講座が開かれると思いますので、気になる方は図書館の情報をチェックしてみてください。
人気講座なので、予約開始日にすぐ予約することをおすすめします。
文京区立図書館

それでは!



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