【東京文化財ウィーク2017】都心の重要文化財建築を見る

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東京文化財ウィークで面白そうな催しに参加しました。

東京文化財ウィークのすすめ
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NPO法人東京シティガイドクラブが主催している文化財めぐりのうち、「都心の重要文化財建築を見る」というコースに参加してみました。このコースは毎年の定番とのことですが、昨年三越日本橋本店が重要文化財に指定されたので、今回新たにコースに加わったそうです。ツアーは20人強の人数で3班に分かれ歩きました。それぞれの班にガイドの方とアシスタントの方がつくので、説明も間近に聞けて分かりやすかったです。

見て回るのは順番に「高島屋東京店」→「日本橋」→「三越日本橋店本館」→「三井本館」→「日本銀行本店」→「東京丸の内駅舎」→「明治生命館」です。このうち、三井本館は今年から団体さんお断りになってしまったため外からの見学、日銀本店も残念ながら工事中のため同じく外からの見学になりました。日本橋は元々外にありますし、東京駅は改札の外の駅舎を見学です。他の建物については内部も見せてもらいました。

高島屋東京店

全景を写すのを忘れたのでウィキペディアより拝借。2009年(平成21年)に重要文化財に指定されました。1933年(昭和8年)に竣工以来増築を重ねています。高島屋というとレトロなエレベーターが有名で、しかも今では珍しい存在となった、昔でいうエレベーターガール(今だとエレベーター操作員とでもいうのでしょうか)が常駐しています。このレトロなエレベーターはもう部品が無いため、お客さんに勝手にいじられて壊されないように操作員を置いているという側面もあるそうです。

下の画像は外側の増築部分。元の建築デザインを壊さない、一体感のある増築が見事です。店内(撮影禁止でした)は、2階までが吹き抜けになっていて、1階から2階にかけて立っている柱が見事です。2階の天井は格天井(ごうてんじょう)と呼ばれる格子の美しいデザイン。(よくお寺さんや書院などで見られる天井です)2階の回廊からだと天井や柱のデザインなどがよく見えます。

内装に大理石をふんだんに使っているので、ときどきアンモナイトの化石があったりします。小学生の夏休みの自由研究にもよく使われるそうです。

日本橋

次は日本橋へ。意匠を凝らした美しい建築物なのに、高速道路が上を通って台無しになっています・・・。1603年(慶長8年)に初めて架けられて以来、19回架け直されています。現在の石橋2連アーチ橋になったのは1911年(明治44年)。東京大空襲を生き抜いた明治の橋です。1999年(平成11年)に重要文化財指定されました。

総コンクリート造りに見えますが、中央部分には煉瓦が使われています。

橋の彫刻のひとつ獅子。獅子が足の下にあるのは旧東京市のマークです。東京を守る(保護する)という意味が込められています。

こちらの彫刻は麒麟(きりん)。「発展」を意味しているそうですが、本来麒麟には翼は無いんですよね。参考までに下にキリンビールの缶のデザインを挙げましたが、翼はないですよね? 私はこの日本橋の彫刻をずっとドラゴンだと勘違いしていました(^-^; 「発展」ということで麒麟に翼をつけたようです。

こちらが本来の麒麟です。

橋の横には「東京市道路元標」が移設されています。道路元標とは道路の起終点を表す標識です。(現在の法律では特段何の規定もありません)

こちらの道路元標は昔は都電の架線用の柱としても利用されていたとか。画像はガイドさんの資料を写させて頂きました。

三越日本橋店本館

2016年7月に重要文化財に指定されました。今まで指定されていなかったのは、上の階をごっそりと改築してしまったのが理由だとか。今回の指定は建物というよりは、日本初の百貨店であること、日本初のエスカレーターの導入など、先駆的なデザインや最新の施設を取り入れてきたというその歴史に対してという側面があるようです。

こちらの建物の案内には、三越から専任のガイドさんがつきました。店内はお客さんが写らなければ撮影OKだったのでいくつか画像も紹介します。

高島屋は洋風の中にも和風を意識したデザインでしたが、三越はルネッサンス様式の洋風建築です。

この日は「大店のれん」が掛かっていました。のれんは年に数回、イベントがある時に掛けられるのだそうです。西洋風建物にのれんというミスマッチ的なところが面白いです(^^♪

店内中央は5階までの吹き抜けのホールになっています。そこに据えられている天女像の彫刻。完成までに10年の歳月を要したそうです。天女像に隠れてしまいましたが、2階バルコニーにはパイプオルガンも設置されています。

こちらは吹き抜けの天井部分。ステンドグラスが美しいです。

天井全景。

高島屋同様に内部は大理石をふんだんに使っていますので、あちこちにアンモナイトがいます。こちらはエスカレーターで下った時にしか見られない双子のアンモナイト。

三井本館

三井本館は1998年(平成10年)に文化財登録されました。三越が呉服部門、こちらが為替部門ともいえます。総工費は当時で一般的なビルの建築費の10倍ともいわれたそうです。

コリント式列柱が見事です。

「壮麗」という言葉が似合いますが、冷たい雰囲気も感じさせます。

柱頭のアカンサスの葉の彫刻が見事。

中は見学出来なかったので、ガイドさんの資料から。現在も銀行の事務所としてもちろん使用されていますが、沢山の柱は事務所として効率的な空間とは言えないようです。特に総大理石の空間はとにかく冷えるようで、冬場は足元暖房が欠かせないそうです。

日本銀行本店

本館は現在工事中なので、ウィキペディアより画像を拝借。設計者は辰野金吾。それまでのお雇い外国人建築家から、日本人建築家の時代となった記念すべき建物でもあります。様式としてはネオ・バロック建築と言われています。

現在はこの古い建物は実際の業務には使用されていないそうです、

こちらはガイドさんの資料から。その昔は馬車でお金を搬入していたので、入口が高く作られています。馬の水飲み場は今も水が出ます。

こちらが馬の水飲み場。

これは正面玄関に飾られているシンボルマーク「咆哮の獅子像」。六個の千両箱の上に載った2頭の獅子の図です。獅子が持っているのは「日」の字の古代書体の一種が由来で、お札にも印刷されています。

東京駅丸の内駅舎

2003年(平成15年)に重要文化財指定。第二次世界大戦の空襲でかなりの被害を被り、それ以来2階建ての建物として使用されてきましたが、2012年(平成24年)に大正3年当時のドーム型に復元されて元の通りに3階建てになりました。

こちらは東京駅丸の内駅舎正面。皇室専用の乗降口でもあります。

2階と3階で煉瓦の色がまだ違います。あと10年くらいすれば違いが分からなくなるくらいに馴染むかな?

駅舎の煉瓦はイギリス積みと言われる積み方です。しかも覆輪目地という、目地がちょっと膨らんだ形をしている手間のかかるやり方で積んであるのです。これも今回復元したのだそうです。

こちらはドームの天井。南と北のドームは同じデザインです。

天井のレリーフ。落下防止用の網が少々邪魔ですが、よく見ると実に精巧に美しく作られています。

鷲のレリーフ。昔の絵葉書から解析して復元したのだそう。石膏だと150㎏にもなってしまうため、FRP材(繊維強化プラスチック)を使用して50㎏に抑えています。

ちょっとピンボケですが、それぞれのコーナーに八支の彫刻が配置されています。これは「辰」かな?

各方角は以下の図のように十二支があてはめられています。丸の内駅舎のドーム天井は東西南北の干支は省略され、残りの八支の彫刻があります。(グレーの網掛けが省略された干支)

省略された4つの干支はこんなところにいたようです。

こちらは大正3年に東京駅が完成したときの写真。写っている人たちは東京駅工事に携わった職人さんたちです。よく見ると、手前は草ぼうぼうなんですね。今では想像できませんが、東京駅前あたりは野原が広がっていたんだそうです。(写真はガイドさんの資料を写させていただきました)

丸の内駅舎を復元工事した鹿島建設の竣工アルバムの画像がものすごく綺麗です。
ぜひご覧あれ!

明治生命館

最後は「明治生命館」。1997年(平成9年)に昭和の建造物としては初めて重要文化財に指定されました。

三井本館と同じくコリント式の柱です。こちらは2階から柱が建っているデザインです。個人的には地上から柱が生えているより、こちらのほうが重圧感が少なくて好みかな。

遠くから見るとこんなデザインの建物です(画像はウィキペディアより拝借)。後ろに見えるビルは明治安田生命保険本社ビル。クラシックと現代風のなんともミスマッチな取り合わせです。

屋根の少し張り出した部分の意匠。下からだとなんなのかよくわかりません。(コンパクトデジカメ最大ズームで撮影しました)

正面から見るとこんな意匠になっています・(ガイドさんの資料を写させていただきました)それにしても、どうやってこの写真を撮ったのだろうと不思議だったのですが、お隣の建物の、ほぼ同じ高さの場所から写したのだそうです。(もちろん許可を得て入ったそうです)このレリーフが屋根にふちに等間隔でついているんですね。下からだと肉眼ではほとんど形が分からないですが、見えないところにも凝っています。

建物内部。2階まで吹き抜けになっています。

美しい格天井。

こちらは2階の回廊のブロンズ製のてすり。戦時中に金属回収されてしまったのを、昭和31年の改修工事の際に復元したのだそうです。

1階に展示してある明治生命館の模型。

以上でツアーは終わりです。13時~16時半までたっぷりと見て歩き、充実した半日でした。ガイドの皆さん、ありがとうございました!

東京シティガイドクラブが主催している文化財めぐりツアーは他にもいくつかあったのですが、なかなか日程が合わなくて今回はこれひとつのみ参加です。来年はもっと参加してみたいな。

<おまけ>明治生命館の2階(内観)

16時半より明治生命館2階を見学できるというので行ってみました。平日に見られる場所は一部のみで、土日だと全部が見られるのだそうです。

『応接室』豪華な布張りソファ。丸テーブルはマホガニー材でしょうか。

『会議室』明治生命館は、戦後GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)に接収され、ここでは対日理事会の第一回目の会議が開催されたのだそうです。マホガニー作りの重厚さとあいまって、歴史の重みを感じる部屋です。一見の価値あり!

本当はスペイン式の内装の応接室が見たかったのですが、平日は公開されないとのこと。また別の機会ということで。

それでは!



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