秋の京都の旅の続きです。午後からは桂離宮の参観と、夕方近くに東寺に行って来ました。
お天気には恵まれましたが、日中はちょっと暑かったかな。
午前中に行った「国宝展」の記事はこちら
春の旅では「仙洞御所」を参観しました。その時の記事はこちら。
今回の桂離宮は秋の行楽シーズンということで、3か月前の朝5時の予約開始と同時に申込みました。
美しい回遊式庭園
現在「笑意軒」(上の図だと一番左下の建物)は工事中のため中を見ることは出来ませんが、それ以外をぐるっと1時間かけて回ります。石とコケで足場はいいとは言えません。水に落ちたり、ころんで怪我する人が絶えないので十分気を付けて下さいと、ガイドさんから注意がありました。
「御幸門」。ここの手前の奥の表門が桂離宮の正門になります。
「御幸道」。真ん中を歩きやすいように、道がかまぼこ型にちょっと盛り上がっています。敷き詰められた石も平らな面が表になるようになっています。
こちらは「外腰掛」。眩しかったので写真は撮らなかったのですが、この対面に薩摩島津家から献上されたという蘇鉄(ソテツ)が植えられています。
こちらは州浜。平べったい石が敷き詰められ、その先に灯籠が据えられています。灯台に見立てて海を演出しているのだそうです。その奥に見える石橋は天の橋立の見立てとか。向こう岸に見える建物は「松琴亭」です。
石橋と灯籠を違う角度から見る。
ちょっと幅の狭い石橋を渡ります。ガイドさんもここでは慎重にと注意を促していました。
「松琴亭」。桂離宮で最も格の高いお茶室だそうです。
ちょっと色が褪せてきていますが、青と白の市松模様の襖がとてもモダンです。白い糸は侵入禁止を意味するのでしょう。縁側に座るのはOKとのことでした。
「松琴亭」の向かい側の景色。もう少し紅葉がすすむと、さぞかし美しいでしょうね。
少し遠目に書院が見えます。
この石橋を渡ります。
さらに飛石にそって登っていきます。雨が降ったら滑りそう。
ここは庭園内で一番高い所なので、見晴らしがよくて気持ちいいです。木々の間から見えるのは「松琴亭」。
登りきったところにある「賞花亭」。竹の連子窓から見る景色はさながら深山幽谷といった趣です。
「賞花亭」からは庭園全体を見下ろす感じになります。いつまでも見ていたくなる景色です。
こちらは「園林堂」と呼ばれる持仏堂。今は安置されているものはなく、建物だけが残っています。桂離宮の中で唯一の瓦屋根が少し異質な感じがします。
「笑意軒」は現在工事中のため、外から見るだけです。
書院全景。左から新御殿・楽器の間・中書院・古書院と並んでいます。
こちらは古書院二の間の正面にある「月見台」。正面にある池に突き出すように平たい台が突き出しています。現代風にいうとウッドデッキですね。
月見台の前からだとこんな景色が見えます。気持ちいい!
古書院近くにある「月波楼」。
こちらは池をのぞむ見晴らしの良い開放的な部屋。
奥の部屋からは池は隠れて見えない趣向になっています。
正面の松は「住吉の松」と呼ばれています。「御幸道」を通って来た訪問者に対し、松で池の眺めをあえてさえぎり、古書院ではじめて池の全景が見えるようにするための配慮とか。
黒文字を使った中門に通じる塀。黒文字は茶道で使う楊枝の原材料です。なんとも趣があります。
そして参観後、桂離宮敷地のすぐ横を流れる桂川を見ながら。昔はこの川も趣のある景色だったのでしょうね。今はただの川ですが・・・。
桂離宮ではオリジナル手ぬぐいを買いました。月見台をイメージしたデザインです。
<おまけ>東寺散策
この日は奈良泊なのですが、まだ4時前なので東寺をちょっと散策することにしました。本当は秋の特別拝観で宝物館が見たかったのですが、時間が少々遅くなってチケットが買えなかったので境内を見て回るだけに。
元々、羅城門をはさんで西に西寺、東に東寺があり平安京の玄関口であったのですが、現在残っているのは東寺だけです。羅城門と西寺はその場所を示す跡だけがちょっと残っています。羅城門跡を見たことがありますが、小さな公園の中に文字通りぽつんと碑があって、気にしていなければ見過ごしてしまいそうなくらい目立たない存在です。
塀の外から見た国宝「五重塔」。
南大門から中に入ります。
正面は国宝「金堂」。東寺の本堂にあたります。
重要文化財「講堂」。東寺の中心であり、密教の中心でもあります。
水に映る五重塔。右に見える建物は宝蔵と呼ばれているところです。
こちらは東寺の横出入り口に隣接している交番。東寺の雰囲気を壊さないようなデザインになっているのが素敵。
京都の旅はここまで。この日は奈良で一泊しました。明日は正倉院展に行きます。
<奈良編に続く>

