「砂丘に眠る弥生人」-国立科学博物館

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国立科学博物館で開催中の「砂丘に眠る弥生人-山口県土井ヶ浜遺跡の半世紀-」を見てきました。この展示は特別展ではなく企画展なので、通常の常設展示料金で見られます。講演会にも出席しましたので、その内容もふまえてご紹介したいと思います。

※展示は一部を除いて写真撮影OKです。

弥生人の墓

土井ヶ浜遺跡は山口県下関市にある砂丘土に造られた、弥生時代の集団墓地です。遺跡の場所は地図で見るとわかりますが、本州の西の端の響灘に面した場所にあります。日本では端っこですが、ユーラシア大陸から見ればいわば日本の玄関口のようなものです。

土井ヶ浜遺跡の発見は、現代日本人のルーツを知る上での重要な手がかりを与えてくれました。

こちらは企画展の入口。日本館1階にあります。

中に入るとすぐ美しい海がお出迎え。そして砂丘を模した穴の中には・・・。

人骨が葬られていました。土井ヶ浜遺跡は現在も砂丘ですが、弥生時代はもう少し海に近く、遺跡の廻りは海水湿地となっていました。

遺跡はこれまで19回に渡る発掘が行われ、総計300体に及ぶ弥生人の人骨が見つかっています。最初に人骨が発見された当時(1952年)は他に弥生人の人骨が見つかっていなかったため、縄文時代と古墳時代の間を埋める貴重な遺跡でもあったのです。

こちらは女性の人骨。土井ヶ浜遺跡で最初に出土しました。

土井ヶ浜遺跡の埋葬方法にはいくつかの種類があります。単体だったり箱式石棺墓や石囲い墓や、1体だけですが土壙墓もありました。その中でも特徴的なのが「集骨墓(しゅうこつぼ)」と呼ばれる頭蓋骨を一か所に集める埋葬方法です。展示では特に保存状態の良い頭蓋骨13体が見られます。

頭を切り離したのは白骨化した後か、それともまだ肉体が残っている時なのか、かなかなか興味をひく話題ですが(笑)、講演会で聞いたところによれば白骨化したのもあれば肉が残っている状態で切断したものもあるそうです。

そして貝でできた装飾品を身に付けていた人骨もあります。貝は近海産もありますが、ゴウホラやイモガイなど南西諸島産のものもあり、これらの場所との交易があったことを物語っています。画像は貝の装飾品がどこの産地のもので、どのように作られたのかを解明するための製作実験に使用された貝です。

弥生人はどこから来たか?

この画像は今回の企画展ではなく、常設展で展示されているものです。右から旧石器人(沖縄・港川遺跡)・縄文人(茨城・若海貝塚)・弥生人(土井ヶ浜遺跡)の復元模型ですが、並べて比較出来るようになっています。これを見ると湊川人や縄文人に比べて、弥生人はのっぺりした、やや面長な顔をしているのが分かります。縄文人から比べるとむしろ現代人に近いですよね。

土井ヶ浜遺跡が見つかる前は、旧石器~縄文人と、古墳~現代の顔や体格の違いが説明できなかったのです。土井ヶ浜遺跡の人骨はいわばミッシングリングの役割を果たしました。

このミッシングリングを見つけたのは九州大学の研究グループです。当時九州大学医学部教授の金関丈夫氏は5回に渡って土井ヶ浜遺跡を発掘し「渡来混血説」を提唱しました。これは朝鮮半島より渡来した人々との混血によるものという説で、当時は画期的な内容であり反論も多かったようですが、現在では有力な説として受け入れらています。ただし、大陸の比較資料(同じ時代の人骨)の不足が課題でもあります。

九州を中心に弥生人の遺骨の発掘が増加するにつれ、弥生人の集団にも地域性があることがわかってきました。九州北部から出土した弥生人は土井ヶ浜の弥生人と似ていますが、西北九州の弥生人は縄文人の良く似た形質をもっていたりもします。その分布図がこの画像になります。

例えば、鹿児島の広田遺跡の南九州弥生人は他の地域とはうってかわった短頭で、おもわず「西郷どん」と呼びたくなるような風貌です。平均身長も他の遺跡よりやや低めであることがわかっています。

他にも興味深い展示がありましたが、ついつい長くなりすぎるのでこのへんで(^^;
展示数としてはそれほど多くないですが、情報量は盛沢山という企画でした。

1月半ばの講演会にも参加しましたが、予約申し込み開始からたった1日で定員が埋まってしまったそうです。この企画展も講演会の前日時点で11万人が訪れたという盛況ぶり。私達のルーツはいったいどこにあるのか、みんな興味津々なんでしょうね。

下の画像は講演会が行われた講堂と講演プログラムです。
 

企画展は3月24日まで開催しています。なんだか下関市の土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアムにも行ってみたくなりました(=^・^=)

それでは!

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