「東日本大震災復興祈念 伊藤若冲展」-福島県立美術館

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福島県立美術館で開催中の「東日本大震災復興祈念 伊藤若冲展」に行ってきました。若冲は京都で生まれ、その生涯をほとんど京都で過ごしましたが、晩年の1788年(天明8年)に起こった「天明の大火」により家もアトリエも失ってしまいます。

今回の展覧会にはその時の避難先であった西福寺の襖に描いた「蓮池図」も展示されています。京都の復興を願い信じた若冲と、福島の復興を願う心が重なる展覧会でした。

東京駅から新幹線を使えばわずか福島駅まで1時間半です。福島県立美術館は福島駅からバス+徒歩で10分ほど、徒歩で行っても25分くらい。日帰りで充分楽しめます。

若冲の水墨画

若冲といえば「動植綵絵」(宮内庁三の丸尚蔵館)に代表されるような繊細で精密かつ華麗な色彩が思い浮かびますが、実際には若冲の描いた絵のうち水墨画はかなりの数を占めます。今回の展覧会は目に鮮やかな作品もいくつかありましたが、かなりの数の水墨画が展示されていました。若冲のこだわりの鶏の画もたっぷり。

そんな華麗な鶏たちを横目に、ついつい惹かれたのがこちらの「猿猴捉月図(えんこうそくげつず)」(1770年頃の作)。猿が水に写った月を取ろうとして結局溺死してしまうという中国の故事を連想させるらしいのですが、小難しいことなどお構いなしにほほえましいというか、かわいいという感想が出てくるあたり、若冲の人柄なのでしょうか。

そしてこちらは「寒山図」。題名を知らなかったら楽しそうに笑っている子供の絵です。唐の時代に天台山国清寺に住み着いたという寒山と拾得は禅宗絵画ではお馴染みの二人ですが、こちらは巻物を持っているので寒山なのだそうです。そういえば、拾得は箒を持ってますね。最近私が見た寒山と拾得は「奇想の系譜展」での狩野山雪の画でしたが、これがまた奇怪でグロテスクとでもいうような容貌で描かれていました。

奇想天外な行動で常識を超えていたとされる僧ですが、これくらいあっけらかんとした笑顔だとなんでも許してしまいそうです(笑)。

そして若冲は野菜モチーフの作品もあります。青物問屋の主人であった若冲にとって、野菜は極めて身近なものであったでしょう。「果蔬涅槃図(かそねはんず)」は二股大根を釈迦に見立て、まわりを野菜や果物が取り囲むという「釈迦涅槃図」のパロディと思いきや、若冲の母が亡くなり、母の成仏と引き換えに家業の繁栄を願っているという意見もあります。

若冲の野菜画は、ほかにも繊細に描かれた「隠元豆・玉蜀黍図」とか、「蔬菜図押絵張屏風」のように12種類の野菜がでかでかと描かれているものなど、見ていて楽しかったです。

新生若冲

今回の目玉というべき「連地図」は、元々は襖絵の裏に貼られていたものを、現在は6幅の掛幅画に仕立て直されたものです。若冲75歳の時の制作と言われています。天明の大火のによって失ったものは大きいが、それでも若冲は描くことをやめませんでした。この画も荒れた池にも蓮の花が咲くことで再生を表現し、自らを鼓舞していたのかもしれません。

やはりまとまった若冲の絵は見ごたえばっちりでしたし、県外から来たお客さんも多かった印象でした。

すっかり(毎度?)紹介が遅くなってしまいましたが、GWも残り少し。日帰りで行けるプチ旅行で若冲展いかがでしょうか。

それでは!

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