「モダン・ウーマン」と「漢字展」

シェアする

スポンサーリンク

スポンサーリンク


閉会まであとほん数日となってしまいましたが、国立西洋美術館の「モダン・ウーマン」と東洋文庫ミュージアムの「漢字展」をまとめてご紹介です。

「モダン・ウーマン」ー国立西洋美術館

当初の目的は「松方コレクション」を見ることで、それはそれで面白かったのですが、ついでに見たこの展示が思いがけず良かったのでご紹介したいと思います。(私的には「松方コレクション」より印象に残りました)

なかなか日本では紹介されることの少ないフィンランドの7人の女性芸術家達に焦点をあて、その作品と共にフィンランドの美術教育の歴史なども紹介されています。フィンランドは現在も男女平等の進んでいる国というイメージがありますが、19世紀半ば創立したフィンランド最初の美術学校は、創立当初から男女平等の教育をしていました。これはヨーロッパの中で考えても当時は珍しいことだったようです。

才能ある女性達は、奨学金や留学のチャンスを得たりして、芸術家としてのキャリアを築いていったのです。

こちらが展示会場入り口。常設展と一緒に見られます。全品写真撮影可です。奥に第二会場もあります。

1853年生まれのマリア・ヴィークはヘルシンキの裕福な家で育ちました。フィンランド芸術協会の素描学校と画家で教授のフォン・ベッカーの画塾で学んだあとパリに留学して4年間研鑽を積みます。1878年にフィンランド芸術協会の展覧会でデビューしました。
「ボートをこぐ女性、スケッチ」1892年

ヘレン・シャルフベックは1862年生まれで、11歳のとき才能を見いだされ、1873年からフィンランド芸術協会の素描学校とフォン・ベッカーの画塾で学びました。1879年にデビューし、翌年はパリに留学しています。老齢になるまでその製作意欲は衰えず、生涯で1000点以上の作品を残しました。フライヤーの「占い師(黄色いドレスの女性)」もシャルフベックの作品です。
「木こりI」1910-11年

エレン・テスレフは1869年にヘルシンキで生まれました。1885年から素描学校とベッカーの画塾で学び、1891年にデビュー後にパリへ留学しています。パリでは象徴主義に傾倒しました。1904ー06年にカンディンスキーの作品に触れ、明るい色彩と大胆な筆致による画風をなり注目を集めます。

「装飾的風景」1910年

1897ー98年頃のフィンランド芸術協会素描学校の様子です。1848年の開校以来女子学生の入学を認め、男子学生と同様に美術教育を授けました。また、国外旅行や留学も積極的に援助したとのことです。

フィンランドにその芸術の花を咲かせた女性芸術家達の作品が堪能できる絶好の機会です。「松方コレクション」に行った時には、こちらにもぜひ足を運んでみてください。9月23日(月・祝)までです。

「漢字展」ー東洋文庫ミュージアム

東洋文庫観ミュージアムでは「漢字展」が開催中です。世界の中の漢字の立ち位置から始まり、漢字の成り立ちや発展、日本における漢字文化など、様々な本を展示しながら紹介しています。どれも興味深い本ですが、さりげなく国宝や重要文化財が他の本と同列に展示されていたりで、本好きにはぜひおすすめです。

「漢字展」のナビゲーターはこの方です。その名も蒼頡(そうけつ)さん。古代中国で漢字を発明した! とされる伝説上の人物です。なんで目が4つもあるのかというと、その鋭い洞察力と観察眼を表現しているのだとか。実際の絵はちょっと怖いのですが、ナビゲートしていくれるこのイラスト蒼頡さんはなかなか愛嬌があります。

まずは世界における漢字の立ち位置を確認します。「世界の文字マップ」を見ると、漢字は主に東アジアで使われていますがその範囲は思いのほか狭く見えます。ただしWikipediaによれば15億人が使用していて、50億人が使用しているラテン文字についで世界第二位なのだそうです。そして最も文字数の多い文字体系である・・・これは納得ですね。

興味深い展示といえばこの「甲骨卜辞片(こうこつぼくじへん)」。中国最古の王朝「殷」(BC17~BC11)の時代に占いで使用された獣骨や亀の腹甲の破片です。占いの内容や結果が刻まれていて、漢字の最も古い形態といわれています。

殷はもともと実在しているかどうかはっきりとした証拠が無かったのですが、1899年に、当時薬用に使われていた“竜骨”(甲骨)に文字が刻まれていたことから甲骨文字が発見され、そこから殷墟(殷王朝後期の都の遺跡)の発見につながりました。

そしてこちらは「説分解字」とよばれる中国文字学のバイブルといえるもので、中国で初めて作られた文字の解説書です。これがあったからこそ、19世紀に発見された甲骨文字も解読することができたのだそうです。(100年(後漢)に成立)

中国といえばやはり「科挙」ですね。この制度が始まったことにより、ますます漢字学習が盛んになったのです。この資料は1772年の科挙の最終試験の主席合格者の答案です。とにかく美しい字なのです。見ていて惚れ惚れします。

「大漢和辞典の校正刷」というのもありました。大漢和辞典は2巻発行直前に戦火によって全巻の原板が焼失するという悲運にみまわれ、1946年から10年かけて復刊をはかりました。辞書と聞くと反射的に三浦しをん著の『舟を編む』を思い出してしまいます。まさに「辞書は言葉の海を渡る舟であり、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」ですね。

こちらの展示も9月23日(月・祝)までです。漢字の海に溺れたいかたはおすすめです。

それでは!

フィンランドを知るためのキーワードAtoZ/萩原健太郎【1000円以上送料無料】
created by Rinker
¥2,200 (2019/10/16 12:23:44時点 楽天市場調べ-詳細)
舟を編む (光文社文庫) [ 三浦しをん ]
created by Rinker
¥682 (2019/10/16 02:23:52時点 楽天市場調べ-詳細)

ランキングに参加しています!

 にほんブログ村 歴史ブログ 歴女・女性歴史ファンへ
 にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ

♪いつもポチっと押して応援していただき、ありがとうございます♪

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告




レクタングル(大)広告




フォローする

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告