「みんなのミュシャ」ーザ・ミュージアム

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ザ・ミュージアムでの開催は終わりましたが、このあと5カ所で順次巡回する「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへー線の魔術」。ちょど京都での展示が始まりましたね。

アルフォンス・ミュシャといえば、2017年の「スラヴ叙事詩」が思い出されます。あの巨大で圧倒的な迫力の作品でミュシャのイメージがずいぶん変わりました。今回の展覧会は「原点」に戻った、明るく軽快なまさにアール・ヌーヴォーを体現している作品が中心です。

ミュシャの作品はもちろんのこと、個人的な見所はミュシャに影響を受けた日本の漫画家達の作品群。水野英子・山岸凉子・花郁悠紀子・波津彬子・松苗あけみ・天野喜孝・出渕裕の原画(一部複製ありだそうですが)です。特に早世した花郁悠紀子さん。私は雑誌連載していたころからの大ファンだったので、彼女の原画が見られるだけでもう最高でした。それにしてもミュシャに影響受けた漫画家やイラストレーターなら他にも大勢いるでしょうに、実に通好みのチョイスです。学芸員さん、グッジョブ!

ザ・ミュージアムでは一部撮影可のエリアがありました。作品を鑑賞する人優先ということで床にテープが貼ってあり、その外から撮影してくださいということなのですが(しかも、個々の作品ではなく室内風景として)みんな当然のように各作品を写していました。でも鑑賞優先と明確に打ち出しているのは良かったです(本来当然のことなのですが)。撮影可が増えるのはうれしいですが、その反面撮影者に何故か気を遣ってしまってじっくり作品を鑑賞できない場合もあり、時々もやもやします。

ミュシャ財団キュレーターの佐藤智子氏の特別講演にも行きました。どこで講演やるんだろうと思ったら、今回写真撮影可能エリアにプロジェクタとスクリーンを設置して講演したんです。ミュシャの絵に囲まれて臨場感がありました。やや長丁場でしたが興味深い内容がたっぷり聞けました。(パイプ椅子だったのでちょっとお尻が痛くなりましたが。。。)


「ベネディクティン」1898年作

佐藤氏の講演は「視覚言語としてのミュシャ様式 その形式とアナトミー」と題して、2000年頃から再考されてきたミュシャとマンガ(日本だけで無く)の関係性についてと、アールヌーヴォーというのはどのような現象であったのかをミュシャの様式や芸術理念にからめてお話してくださいました。

そもそもミュシャの「本質」とは何か、ミュシャ様式というのは何なのか? ミュシャの芸術がアールヌーヴォーのひとつの典型であること異論のある人はいないと思います。もともとアールヌーヴォーは、1895年のパリでジークフリート(サミュエル)・ビングの画廊「アール・ヌーヴォー」が開店し、ここが発信している芸術がアールヌーヴォーと呼ばれたことに始まりました。既成概念を壊し東西視覚芸術の融合を理想とする「新しい芸術」です。

「夢想」1898年作

「絵画ー連作<四芸術>より」1899年作


「詩ー連作<四芸術>より」1899年作

ミュシャの芸術理念としては『私は芸術のための芸術をつくる作家ではなく、大衆のための絵描きでありたい』という言葉に集約されていると思いました。

ミュシャは元々は画家になるためのアカデミー教育を受けていたのですが、勉強中にパトロンから手を引かれてしまい、生活のためにやむなくイラストレーターになったという背景があります。しかしミュシャはこれをいわば「修行」ととらえ、アカデミー作品を作成する同じ手順でイラスト作品を作成していたとのことです。こうして作成されたミュシャの作品の質の高さが、今日に至るその評価を支えているのでしょうね。


「三つの季節:春、夏、秋」1898年作

ミュシャの絵を見ると、『いかに観る者を「誘惑」し、メッセージを伝えるか』を意識し、絵の構図を作ったかがわかります。この芸術性とエンターテイメント性を兼ね備えた絵がまさに「ミュシャ様式」なのですね。

撮影エリアの風景

ミュージアムショップにはミュシャグッズがてんこ盛りで、ついつい購買意欲がかきたてられてしまいます。それになんといっても、ミュシャだけでなく、漫画家さんたちのグッズもあるんですよ~!!! 花郁さんのグッズなんて滅多に手に入らないので感無量です。複製原画の販売もあったけど、4万超という値段。。。さすがに諦めました。

「みんなのミュシャ」は東京展のあと、下の表のように各地を巡回します。お近くに来た際はぜひ観に行ってみてください。

東京 2019年7月13日(土)- 9月29日(日)終了 ザ・ミュージアム
京都 2019年10月12日(土) - 2020年1月13日(月祝) 京都文化博物館
札幌 2020年1月25日(土) - 4月12日(日) 札幌芸術の森美術館
名古屋 2020年4月25日(土) - 6月28日(日) 名古屋市美術館
静岡 2020年7月11日(土) - 9月6日(日) 静岡県立美術館
松本 2020年9月19日(土) - 11月29日(日) 松本市美術館

それでは!

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